2010年10月25日

永田町の長い長いエスカレーターでの話。

永田町の長い長いエスカレーターのこと。

永田町の長い長いエスカレーターが
結構、好きだ。
こうおもえるようになったのは
ここ最近だ、と思う。

昔は意味なく、「仕事」で
自分は忙しいと感じていた時期があって、
あのエスカレーターを
駆け下りたり、駆け上ったりしては
いけません!な人であったから
あの永田町の凄まじく長いエスカレーターは
恐怖だったわけである。

それがどっこい、
最近、あの長いエスカレーターを
楽しい!と思えて、幸せぴょりんこだ。

エスカレーター沿いに
導線に沿って、いやらしく出ている
駅貼り広告(今週は週刊現代・釈由美子です)
くらいの嫌気は、そこに
並ぶ人たちの表情の多様さで緩和される。

さて、今日、2列脇のエスカレーターを
女の人がゆっくりと下りてきて、
あんまり気にもとめなかったんだけど
彼女は、2つのわら半紙のような
ベージュの包み紙の花束(小さくて細長めの)
に口許と少し鼻がかかるくらい、
顔をうずめた。

彼女は2回そのしぐさをして、
1回目より2回目の表情がずっとよかった。
(ま、逆はちょっとショックです。。)
嗚呼、なんていいんだ、あの彼女の頬の自然な喜び。

私はそんなこんなで、
その2回ってのが、いいなあ
嗚呼、なんともいいなあって
いや、1回でも3回でもダメだよなあって
ブツブブツ、意味無く何度も思って、
ずっとずっと
彼女の後姿が小さくなる、脳天の向こうの
花束の多様な色彩のようなものを
想像し、それらが消え行くまで見ていた。

結婚するなら、
こういう女性がいいなと思って、
嗚呼、胸キュンしていた。

そんなこんなで、
もう一度視線をうえへずらすと
とんでもない色のチークを頬に大量にはたいた女が
うえを見上げていた。

私はびっくりして、過去の自分も何度もああいう恥ずかしいチークを塗っていたくせに、彼女から視線を移し、すぐに、そのうえにいた彼氏らしき人に全力で視線を送った。

あなた、今日、彼女の支度を急がせましたね。
そうでなくて、彼女の家から彼女が自分で出てきたなら、ちょっとまた別の深い問題ですが。

せっかくこんなに視線を送ってるのに
まあ当然、その彼氏らしき人は私のこの視線を完全に無視している。

やっぱり2列脇だからかなあ。

だんだん、さっきの花束の彼女への恋心との対比が
寂しくなってきたので、私はそうか、彼は1回も真下にいる眼前の彼女の顔なんて観ていないのだと勝手に断ずる(納得する)ことにした。

左脇の広告の釈由美子に見とれているならまだいい。
彼は釈由美子など見ていないんだ。
彼は彼女の真上にいて彼女と会話しているが、
彼女をまったく観ていないと思った。

残念だ。

観ていたら絶対、彼女のチークの位置がきょう、なんだか、おかすぃなあと想うはずだ。

チークは頬を赤らめた経験のうえにのみ、のせていいものであって、残酷な位置に、そうあんなにギャグ漫画のように、はたいてはいけません。

・・・なんて彼からみたら彼女でもない人かもしれないのに、はっきりいって、ほんとうにどうでもいいことを書いているように思えてなりまえんが、

でも先ほどの恋心が一瞬にして冷めたゆえに私はショックだったのです。

街中の女子が
(人の女でも、いや、だから余計に)美しいのは、
本当にすばらしいことであり、
もうまちのまさに、幸福たる外部性。

街中の女性が美しいことは本当にいいことです。

エスカレーターは動きながら視線を上下へずらすことのできる奇跡的な美の鑑賞のための、時間と空間軸を持ちえた、美しさや優しさ、さびしさを鑑賞するための乗り物であります。

決して、この乗り物は急ぐためではないのです。
人間がいろいろな思いをお腹にいれて、乗っているのです。

ちなみに、私はたまたま、こんな風に彼女らを余裕持って観察しておりますが、いつもは、通帳とか振込みとか契約と喪失とかで本当に真っ青!顔面蒼白気味です。

でも、まあ、嗚呼、こんな永田町エスカレーター話でありました。

とにかく・・・ベージュの包み紙の花束を持った女性の頬の赤らめ方というか、頬の和らぎ方が本当によかったのです。

どうか彼女よ、永遠に。(まる)

posted by にしもとちひろ at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | まちの風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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