2010年11月27日

おばあちゃんと、おばあちゃんと、ウーロン茶

ガスがつかないので、夜、みんなで、おでんやで、ほくほくした帰り道に、テケテケひとりであるいて、銭湯に向かった。

商店街をまっすぐ歩いたらいい、という先生の指示通りに歩いたんだけど、お月様をみてたりして、くねくねしたら、よくわかんなくなってしまって、(ほんとうは間違えようがないんだけど)犀川にいったん、戻ってきてしまった。

夜中、ほんとうに、道に誰もいなくて、東京とは違うと思った。

寒い、もう、だめだと思った頃、あらわれてくれる、神様のようなひとたちに「銭湯、このあたりにありませんか?」ときけども、「ごめんなさい、わからないわ」ばかりだ。

銭湯に電話したら、番台のおばちゃんも「説明できない」という。

そんな、あほな。

最後に聞いた男の子が、(いや、坂を下ってくるから、みんな自転車でビュンビュン組をとめるのは至難なのに、よくぞ停まってくれたありがとう僕!)
「あ、その銭湯はもう少し坂をのぼったところにありますよ。」

ほんとう?ありがとう〜〜。

ようやく、着くと、番台のおばちゃんが「さっきの子か、ごめんなさいね、うまいこと、説明できなくて。」と言った。

「大丈夫ですー」ハアハアいいながら、もう、寒くて、寒くて、ガラガラ、ガラー番台を全力で抜ける。

とはいっても、一応、恥ずかしくって、丁寧に脱いでいたら、

おしりを洗ってください

との貼紙が目に飛び込んできた。

金沢じゃない、これは金沢じゃない、わたしのイメージしていたのと違うと思ったけど、ま、金沢なんだなと思って、日常ってのはこういうもんだ、と思って、バババって脱いで、ガラガラって入る。

目の前に(ちょっと横に)見たお湯は「濃いウーロン茶」にしか見えず、びっくりした。

わたしは、しわしわの、真っ白いおばあちゃんたちが、濃いウーロン茶にぽちゃり、ぽちゃり、ゆっくりと、入ってゆくのを、鏡越しに、じぃっとみた。

ぶくぶくいってるところなんて、
ウーロン茶というか、コカ・コーラだ!!

おばあちゃん、コカ・コーラの中で、シュワシュワいってるし、なんか、もう少しで溶けてしまいそう。

なんか、裸で笑ってるのも、怪しいので、ちょっと真剣な顔をつくって、勇気を出して、そぉっと、入ってみた。

わぁ、ほんとぉ、ウーロン茶ーって思った。

やっぱり、わたしは大きなウーロン茶の中に落ちてしまった子みたいな、気分になり、不思議なまちだな、ここは、と思った。

そして、甘いんだ。このウーロン茶。匂いがね。

翌日、工事のおじさんに、「わたし、きのう、ウーロン茶みたいな銭湯に、行ったんですが、金沢はみんな、温泉はウーロン茶みたいなんですか?」と聴くとそんなこた、きいたことないなあ、そんな、色してたかぁ、と二人とも、この子、何へんなことを、みたいに、いう。

やっぱり、あそこは金沢じゃなかったのかも、と一瞬思う。

いや、金沢なんだ!

おばあちゃんたちは、ウーロン茶に浸かる前、みな、二人組みで、背中をあらいっこしていた。

いつかみた、尾道のお地蔵さまの前のおばあちゃま二人組は、ひとり目のおばあちゃまがお地蔵様をお掃除し、二人目のおばあちゃまが、そのお掃除してるおばあちゃまの肩をもんでいた。

あの日を思い出して、このまちの日常はやさしそうで、好きになれそうだと思った。

犀川からみるお月様はほんとうにきれいだった。

posted by にしもとちひろ at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 犀川日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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