2011年01月09日

くちひげ

世のインテリゲンチアへの
批判にも至らぬレベルの不平不満を
小胸にいっぱいためて、うじうじしている
そんなある日、彼に出会った。

彼の作品を読み進めようにも、
読むと臓器がしっかり躯体に入っていると
主張するのと同じくらいに
身体から飛んで出そうになった。

求心力と遠心力を同時にかけて、私を揺さぶってくる。
なんてこった、この人はと思った。

この感覚は私だけではなく、
多くの人が惹かれて、生き続けている彼に
会いにあの町へ行く。

おそらく、本当に佐藤春夫と同郷なんだろうかという不思議を
抱えながら。私も最初聞いたとき、まさかと思った。
今でも同じ場所の風景を想像できない。
(このはなしはいつか・・・書けたら書きたい。
なんとなくまちづくりに関係すると思うから。)

ところで、つい先日、電話で話しに出たとき
彼の本を床にこしらえた本箱から偶然、パっと見つけた。

表紙の彼は亡くなる数年前
(AERAの取材のためと言っている)
口ひげを伸ばした彼で、
痩せていて、体躯が小さくみえた。
まるで巨体も巨体だったときと
別人のようだった。

私はあまりにその別人の彼の顔に驚いて、
次の日の夜、スケッチブックを開いて、真白な紙に
口ひげを生やした彼の顔をたくさん書いた。

もう写真をみなくても、描けるよ!
(私が写真を見なくても描けるのは、
バルザック先生と、全国商店街振興組合の桑島理事長です。)
目元も口元も眉毛の形も生え際のかんじもバッチリだ!
と思ったら、急に涙が出てきた。

急いでお布団へもぐった。ら、クルテク君が居たので
一緒に眠った。
posted by にしもとちひろ at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 私の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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