2011年01月27日

きんいろ君へ

小さい頃のことだ。

いつだかは忘れた。

とても小さい頃のこと。

家にあったエリーゼのためにのオルゴールを
ぐりぐりいじっていたら、なぜかとまらなくなった。

困った私は
金色の物体を取り出し、
ずっと手の中で握り締め
音を小さくしようと試みていた。

でも手でいっくら握り締めたからといって、
とまるわけはなく、
指の隙間から
トゥルトゥルトゥルトゥルトゥルルー
というメロディーが鳴り続けた。

1日目はもっていたポシェット?のようなもの
(どうして昔、あんなにひとつのポシェットを大事にできたんだろう)に
ハンカチでぐるぐるまきにして閉じ込め、それを家のどっかの片隅に隠した。

次の日くらいに、気になって、見に行ったら
やっぱりまだ鳴っていて、おそろしくなって、
やっぱり、家じゃだめだと思って、
外に捨てにいくために家を出た。

マンションの一階の駐輪場に行って、
置いて去ろうとしたが、背中の後ろで
トゥルトゥルトゥルトゥルトゥルルー、
トゥルトゥルトゥルトゥルトゥルルー、と鳴り止まない。

あなた本当に無生物?!みたいな恐怖である。

もう幼い私は本当に怖くて仕方なかったので、
隣の空き地(駐車場)へ塀よりぽーんと投げた。

なんかカンタンじゃない!

私は球技がまるっきり駄目だったのに
がんばって肩を使って投げるを最初で最後、
できたのはこのときだけだ(とおもう)。

ただ、投げた瞬間から罪悪感にかられた。
エリーゼ様ごめんなさい。ベートーベン様ごめんなさい。
エリーゼのためには、私がブルググミュラーの次かなにかに
はじめて弾かせてもらった曲なのに、空き地に投げたなんて、、、。

第一、金色君を失ったオルゴールはどんなにさびしい思いをしただろう。

長年、その思い出はわるい思い出として、私をこらしめた。

今でもたまに小さな手の中で握り締めた、汗びっしょりな金色君と
トゥルトゥルトゥルトゥルトゥルルーを思い出す。

大人になったらもっと怖いことがいっぱいあったけど、
小さいときもやっぱりそれなりにあったんだね。

がんばって大人になりました!

今日、なぞなお絵かきをして、筆を握り締めていたら
手に汗をかいて、そしたら、この金色君の思い出が出てきてしまいました。

金色君、あの空き地で、ひとりでまだ鳴っていますか?
やさしい女の子に拾ってもらって、大事にきいてもらえていたら、とも
おもうけれど、「相変わらず、勝手な女だな」と言われたら、
わたし立ち直れません。

今度マンションにいったら、隣の空き地に探しに行きます。

実はお父さんに先日、このことを相談したら、
「忘れろ!」と真顔で言われました。

ごめんね、金色君。



posted by にしもとちひろ at 19:36 | TrackBack(0) | 私の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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